飛翔

作品原案として書き連ねています。 書きかけで試行状態ですが、踏ん切りをつけるために、一度手を離すことを目的としています。

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「再び芭蕉翁を追う」:福島の子規2-48

子規は、観瀾亭の後、瑞岩寺に詣でるが、芭蕉の足跡を忠実に追うということとは違っているように思う。
確かに、その雰囲気には感心している。

経の声かすかに涼し杉木立
 両側の杉林が一町ほどで、奥まったところに山門があって、苔むし虫蝕しても、なお昔の面影がある。古風優雅で、奥深くてもの静かで愛すべき招提(寺院)だと。
 しかし、関心は句碑にあるようで、しかも、その評価は手厳しい。「門側に俳句の碑が林立するが、殆んど見るべきものはない。」と断じる。
 唯、「春の夜の 爪あがりなり 瑞岩寺 乙二」の一句は、古今を圧して独り、卓然としているように思うと記す。
 小僧の案内で寺の宝物である玉座・名家の書幅・邦の古物、それに、八房の梅樹等を見るが、その見方をいちいち指示するのを、うっとうしいと感じたようだ。

 政宗の眼もあらん土用干
 彼は、自分の病気を嘆きつつ、よく身辺の連中を小気味よくけなすらしい。普通に考えれば、八方塞がりのはずなのに、明るさとしぶとさを感じるのはこの姿勢なのではないのかなと思う。頼まれたわけでもないのに、友人の句には勝手に赤を入れると嘆いたのは、漱石だったろうか。
 林立する俳句の碑をみて批評することに、そういったことと同質のものを感じる。

 彼は、散策も精力的で、五大堂にも詣でる。
 小き嶋二つを連ねて橋を渡している。橋はおさ橋で、おさのように橋板まだらに敷いて足もとが危く、うつむくと水が覗ける。(※ おさ = 織機の付属具で、薄片を櫛(くし)の歯のように並べ、枠をつけたもの)
 をさ橋に足のうら吹く風すゞし
 すゞしさや嶋から嶋へ橋つたひ


 日が暮れるまで、松嶋や雄嶋の浦めぐりをするが、いくら巡っても飽きることはない。
 旅亭に帰ると、欄干にもたれて月明りの松島の島々をみる。
 夕されは妻やまつらんまつしまの
       小嶋かくれにいそぐ釣舟

 空は陰雲閉じて雨を催さんけしきなるに、一夕立の過ぎなば中々に晴るゝ事もあらんかと空だのみして
 夕立の虹こしらへよ千松嶋


 松島は、いくら巡っても飽きることはないらしく、次の項を立てて、松嶋や雄嶋の浦めぐりを記す。

テーマ:エッセイ - ジャンル:小説・文学

  1. 2010/12/17(金) 10:26:48|
  2. ○ 福島の子規(ノンフィクション)
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親馬シン

Author:親馬シン
 原点であるフィクション「夜の長い街にて」を整理していく中で、自分が求めていたものの輪郭が明らかになると思っていた。
 しかし、実際にはそうはならなかった。

 今は、知りたいことを追い求め、何も考えずに書きとめるだけだ。それでも充分満足している自分を感じている。

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