飛翔

作品原案として書き連ねています。 書きかけで試行状態ですが、踏ん切りをつけるために、一度手を離すことを目的としています。

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夜の長い街にて(その七)

 相槌を打ってから、金曜のことを考えた。二十六日は、今のところは何もないようだが、面倒なような気もした。ただ、俺は何も言わなかった。

 このあたりから人通りが多くなる。この道は細いけれども、本道に真っ直ぐに出れる道であり、それぞれの路地からこの道に集まってくるのだ。
 特に今は、夕方の買い出しの時刻で、学生たちが多い。ここらあたりは学生相手のアパートが多いのだ。アパートというと聞こえがよいが、今にも壊れそうな木造の長屋作りが多い。金の有る学生は、ここには集まらない。地方の学生は金のない者が多いのではあるが、そこにも経済的ランクがあるのだ。その中の最下層の連中がここらには集まっている。俺も、そして彼女もその例外ではない。
 大概の学生は、電化製品は、ラジカセがぜいたく品で、テレビはもちろんのこと、洗濯機、冷蔵庫なども持たないのだ。
 だから、ほぼ毎日、その日の食糧分だけを買いに出るのだ。買い物袋を下げてひと目で主婦とわかる人たちも少しはいるが、混み合っている大部分は学生である。

 彼女は本道に出る少し手前のアパートに入って行った。そこから左手に学絞の門が続く。その門が、本道まで続いている。本道を左に曲がれば学校の正門にいくのだが、俺はそちらの方角に後ろめたさを感じた。それで、右に曲がってマーケットに来た。
 洋子は、今日はいなかった。少し早通ぎたかもしれない。そう考えている自分がおかしいことに気づいた。出て来る時は、人に顔を合わせたくないと思っていたはずだった。だのに……。こんな気分になったのは、啓子が俺の部屋に来たせいだと勝手に思った。
 
                            ★
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テーマ:自作連載小説 - ジャンル:小説・文学

  1. 2009/05/01(金) 13:08:43|
  2. ○ 夜の長い街にて(フィクション) 
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親馬シン

Author:親馬シン
 原点であるフィクション「夜の長い街にて」を整理していく中で、自分が求めていたものの輪郭が明らかになると思っていた。
 しかし、実際にはそうはならなかった。

 今は、知りたいことを追い求め、何も考えずに書きとめるだけだ。それでも充分満足している自分を感じている。

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