飛翔

作品原案として書き連ねています。 書きかけで試行状態ですが、踏ん切りをつけるために、一度手を離すことを目的としています。

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「宗匠を訪ねた子規の本音から」:福島の子規2-17

 「正岡子規の福島俳句紀行」では、郡山から本宮、二本松にかけての交流は、郡山までの子規は、「地元の俳人と俳諧談議」の見出し通りに、地元の俳人と出会いつながっていく事が紹介される。
 しかし、ちょっと詳しく見ていくと、郡山までの地元の俳人は二人の宗匠達で、子規とは俳諧談議にならなかったはずだ。
 本宮についてからも、確かに最初に訪ねた南杉田の遠藤菓翁も旧派宗匠ではあった。ただ、この方は先の二人と違ってやや識見があって、好感は持てたようだ。それでも子規は、そこから先は宗匠訪問をしていない。
 本宮駅を降りた子規は、200余年の昔に芭蕉翁がさまよった跡を慕って、徹底的に跡を追う事に決めている。子規が、旧派宗匠との俳諧談議より、そちらを重視していったことが大切なことのように思う。
 確かに、その後も人との交流はあるのだが、詳しく見てみると今までと質が違う事が分かる。
 先行する出来事は、芭蕉翁がさまよった跡を歩くということだ。そこで人と出会いが生じるという結果としての交流のようだ。
 まず、黒塚を訪ねて二本松に入るが、そこで休んだ「供中の渡し」の橋本茶屋主人との偶発的な俳句談義があって、その中で櫛見青山が紹介される。更に、その方のまたの紹介があって万福寺を訪ねてそこで一夜世話になるという経緯のようだ。地元の俳人というのは、ここからは市井の俳句愛好家のようだ。

 これらを含めて、地元で紹介するということになると、子規を中心に交流した誉れ高き人という事になってしまうのだが、それでは子規が求めた本質から外れてしまう。ここで、郡山までの二人の宗匠達は、子規によって否定されたという関係性を認める事が大切なのだと思う。

 その対極にあるのが、偶然仙台にきていた槐園を南山閣に訪問した交流性だと思うのだ。福島駅から飯坂そして葛の松原の茶屋での人との交流は、その交流に結び付く過程にあるという捉え方が大切なのだと思うのだが、どうだろうか。

 確かに、「はて知らずの記」では当たり障りなくまとめている。しかし、本当は、郡山までの宗匠訪問はとても失望していた事を確認しておく。
 それは、一般的には、岩代国郡山旅舎から7月21日付で、碧梧桐宛書簡で考察するようだ。
 

小生、此度の旅行は、地方俳諧師の内を尋ねて旅路のうさをはらす覚悟にて、東京宗匠之紹介を受け、己(すで)に今日迄に二人おとづれ候へども、実(まこと)以て恐れ入ったる次第にて、何とも申様なく、前途茫々、最早宗匠訪問をやめんかとも存候程に御座候。俳諧の話しても到底聞き分ける事もできぬ故、つまり何の話もなく、ありふれた新聞咄、どこにても同じ事らしく候、其癖(そのくせ)小生の年若きを見て大に軽蔑し、ある人は、是非幹雄門にはいれと申候故、少々不平に存侯処、他の奴は頭から取りあはぬ様子も相見え申候。まだ此後どんなやつにあふかもしれずと恐怖之至に侯。此熱いのに御行儀に坐りて、頭ばかり下げてゐなければならぬといふも面白からぬ事に候。


 東京宗匠之紹介というのが、三森幹雄の紹介状を持参した事だ。
 この日までに訪問した2人というのは、7月20日に中島山麓、21日に道山壮山で、地元では誇りの文化人だ。「はて知らずの記」では、卒なく紹介する。

 ○ 白河に帰り中嶋某を訪ふ 此人風流にして関の紅葉を取りて扇などにすかしたり。(7月20日)
 ○ 須賀川に道山壮山氏を訪ふ 此地の名望家なり。須賀川は旧白河領にして 古来此地より出でたる俳人は可伸等窮雨考たよめ等なり。(7月21日)

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テーマ:エッセイ - ジャンル:小説・文学

  1. 2010/10/06(水) 09:57:28|
  2. ○ 福島の子規(ノンフィクション)
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 原点であるフィクション「夜の長い街にて」を整理していく中で、自分が求めていたものの輪郭が明らかになると思っていた。
 しかし、実際にはそうはならなかった。

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