飛翔

作品原案として書き連ねています。 書きかけで試行状態ですが、踏ん切りをつけるために、一度手を離すことを目的としています。

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「『忍』を求めて信夫山へ」:福島の子規2-18

 本宮駅を降りた子規は、200余年の昔に芭蕉翁がさまよった跡を慕って徹底的にその跡を追う事に決めている。それが「福島の子規」はその行動の基底になっていると考えられる。
 実際の「福島の子規」を追ってみると、芭蕉よりも活発に活動している。
 例えば、「忍」にこだわって信夫の里を歩き、信夫山に登る。体調がすぐれなかったせいもあるだろうが、飯坂では3日間を過ごす。そして、葛の松原に立ち寄っている。しかも、そこから旧派宗匠との俳諧談議をしようという意識は差し引かれている。
 福島の子規は、芭蕉翁がさまよった跡を慕って徹底的にその跡を追っただけでなく、ここで芭蕉を超えたと感じたのではないかとさえ思えるのだ。今のところ漠然とした感覚だが、少なくとも散策人としては、行動的だった。

 そういう感覚で読むと、「正岡子規の福島俳句紀行」に感覚的な違いを感じる。
 「正岡子規の福島俳句紀行」では、「福島の旅籠に泊まり『見下ろせば月に凉しや四千軒』と詠んだ。」としている。
        信夫山公園から
 しかし、ここで大切なことは、子規が当時都市公園としては珍しい信夫山公園に登ったということなのではないか思うのだ、そして、「見下ろせば月に凉しや四千軒」は、その公園から月明りで実際に見た景色として捉えているということなのではないかと思っている。
 そうすると、ここで感じたさびれた感じは、子規の故郷に比べてさびれたというのではなく、全国有数の養蚕業が盛んで、金融的にも相当に経済状況が動いているのに、それでも四千軒しかないという事ではないかと思うのだ。
 ここは、歴史的に養蚕業が盛んだったために家内工業的な組織ががっちりと固まってしまっていたようなのだ。それで、新しく近代的な設備を整えるという動きという点では、遅れてしまっている。逆に考えれば、近代工業化しなくてもこの時代の日本有数の生産に間に合う家内工業的な組織が確立されていたということでもあるのではないかとも思う。そういった変遷にかかわる感覚なのではなかったかと思ってしまう。

 ここにもう一つの視点を加えたい。芭蕉は「忍を求めて」文知摺観音に立ち寄るが、子規は、「忍を求めて」信夫山に登り、文知摺観音に立ち寄っているということだ。しかも、子規には、神尾氏とかかわろうとしたような旧派宗匠とかかわろういう雑念が無い。
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テーマ:エッセイ - ジャンル:小説・文学

  1. 2010/10/07(木) 09:52:07|
  2. ○ 福島の子規(ノンフィクション)
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:0
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Author:親馬シン
 原点であるフィクション「夜の長い街にて」を整理していく中で、自分が求めていたものの輪郭が明らかになると思っていた。
 しかし、実際にはそうはならなかった。

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