飛翔

作品原案として書き連ねています。 書きかけで試行状態ですが、踏ん切りをつけるために、一度手を離すことを目的としています。

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「月明りをたよりに信夫山に向かう子規」:福島の子規2-19

 「福島の子規」は、芭蕉を追って旅をするが、足跡をなぞっているわけではない。なぞるのはその精神性だ。それは、自分なりの見方に常に挑戦していくということであって、ある意味芭蕉を超えるものを求めていたということでもあったろうと思うのだ。
 ならば、「忍を求めて」信夫山に登ったというのは、芭蕉が立ち寄らなかった歌枕の地に立ち寄ってみたという挑戦だったとも考えられなくはない。そのこと自体が、革新的だったのではないかとさえ思えてくるのだ。
 ただ、信夫山が実相として詠まれている訳ではなく、その語感の響きから、追懐、相思の情をしのぶ山としたものが多いということではあるらしい。恋しのぶ、しのび逢い、しのびよる、耐えしのぶ、忍び泣き、しのび足、しのび音、しのび寄るといった語感がもててはやされたものと聞く。
 ここに立ち寄った子規を取り上げる俳人も地域史家もみつからないのはそのためなのだろうか。
         郵便局前陸橋から信夫山
 「はて知らずの記」の表現を忠実になぞってみる。
 福島での宿の主人は、俳句をたしなむ方だったらしいことが紹介されている。ご主人と俳諧談義を交わされたのだろうか。その中で、県内初の都市公園である信夫山公園の話がでたのだろうか。
 子規は、その日の夜に夕涼みに街に出て、そのまま信夫山に向かうのだ。元々忍を求める気持ちがあったのかもしれない。その事情は語られないが、少なくとも古歌に詠まれる信夫山ということであったろうかと想像はできる。
 子規が信夫山に向かう時の描写から読み取れるのは、街中から信夫山に向かう辺りは、一面田圃の中だったということであり、新しきものは監獄署と信夫山公園ということだ。
 その新しきものに向かう整備された道が、県庁から信夫山公園を結ぶ道であり、県庁と監獄署を結ぶ当時の通称監獄通りということだ。
 子規は、その大通りではなく、田の畦道を伝って信夫山をめざしている。
 子規が描く景色と明治28年地図や明治40年の配置図などを見比べてみると、現在の新浜公園とサティーを結ぶ東西線あたりから北側の風景描写のように推定することができる。ここから北側は二つの新道が延び、信夫山の西側には万世大路が延びるが、その風景は辺り一面青田だったようだ。

 青田ありて又家居ありまちはずれ
 笛の音の涼しう更くる野道かな
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テーマ:エッセイ - ジャンル:小説・文学

  1. 2010/10/08(金) 09:20:23|
  2. ○ 福島の子規(ノンフィクション)
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:0
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Author:親馬シン
 原点であるフィクション「夜の長い街にて」を整理していく中で、自分が求めていたものの輪郭が明らかになると思っていた。
 しかし、実際にはそうはならなかった。

 今は、知りたいことを追い求め、何も考えずに書きとめるだけだ。それでも充分満足している自分を感じている。

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