飛翔

作品原案として書き連ねています。 書きかけで試行状態ですが、踏ん切りをつけるために、一度手を離すことを目的としています。

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「子規を迎えた福島の識者」:福島の子規2-24

 子規は、奥州旅行の出発前に、「奥の細道」を写し取ったりしている。そして、その喜びの心境を虚子に云い送っているという。そういう旅の打ち込み方をしている。
 同時に、旧派の宗匠に会い、その現状を知ろうということで、幹雄氏にそのパイプのお願いをするために、7月3日に江左と倉田屋に出向いている。5日にも合っているという。それが、俳人として出発するために必要な事とであると考えての準備だ。
 この2つの志のうち、宗匠との交流性については、郡山までで既に挫折している。 
 子規が、福島駅に立った時には、200余年の昔に芭蕉翁がさまよった跡を慕って徹底的にその跡を追い、極めることしか心にはなかったと思われる。

 それを迎える福島の識者は、どういう状況だったのだろうか。
 「福島の歴史」では、正岡子規が来福したことについて、次のように紹介している。
 「明治26年(1893)7月新しい時代の俳句について活発な改革を提唱し「日本新聞」に俳句蘭を創設していた正岡子規が福島町と飯坂町を訪ねて2泊し、文知摺観音で「涼しさの昔を語れしのぶ摺り」の俳句を詠みました。」

 事実を羅列すると、確かに子規が新しい時代の俳句を提唱し、福島に来る前年(明治25年)に福島新聞に文芸欄が設けられるという状況ではある。しかし、その子規がここ福島で認知され、新しい動きが展開されていることをこの地区でも知っていたという状況かというと、それは違うのではないかと思う。
 ここ福島の識者にとっては、まだまだ文学に関わることが余儀であるという立場の人々が大部分立ったはずだ。子規が批判する旧来の俳句宗派の権威を信じて疑わないという状況であったはずだ。子規は、12月に「芭蕉雑談」の中で、芭蕉を神格化したり、現実に神事として崇ぶ宗匠を批判するらしいが、その批判される側を尊ぶ意識であったろうと想像される。
 ここで対立がないのは、子規は既にそういう方々や俳論をするということを避けているからだ。

 子規を迎えた福島の識者にとっては、子規と名乗る無名人の若造でしかなかったはずだ。そして、子規は、地方のこういった子弟関係の限界をしっかりと受けとめて、芭蕉の精神のみを追い求めていたという事だと思う。
 なお、新聞が介在して、文学者の来福を伝える記事を見たのは、明治30年の尾崎紅葉からだ。この時には大歓迎を受けている。今のところ、その4年前に子規がやってきた報道を見てもいない。

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テーマ:エッセイ - ジャンル:小説・文学

  1. 2010/10/13(水) 11:12:06|
  2. ○ 福島の子規(ノンフィクション)
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 原点であるフィクション「夜の長い街にて」を整理していく中で、自分が求めていたものの輪郭が明らかになると思っていた。
 しかし、実際にはそうはならなかった。

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