飛翔

作品原案として書き連ねています。 書きかけで試行状態ですが、踏ん切りをつけるために、一度手を離すことを目的としています。

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「芭蕉翁の細道紀行を極めようとする③」文知摺観音へ②:福島の子規2-27

 福島駅に降り立った子規は、芭蕉翁がさまよったあとを慕って行くことに絞ったように見える。その対比として、郡山から本宮を経由するあたりを確かめたりしている。古い文章を読むのに疎いので、辞書で確かめながらその概要をつかみながら確認している。
 二十二日の朝に浅香沼を見ようとして出かけた記述で気になったのが、「安達太郎山高く、聾してはるかに白雲の間におぼろげに見える。」というところだ。
 ここにわざわざ「聾して(ろうして)いる状態」を入れている。聾者にはホトトギスのすばらしい鳴き声は聞こえないと、子規を聞き入れない旧宗匠を土地の人が云う「あだゝら」に象徴するように意図していると考えたら考えすぎだろうか。
 短夜の雪をさまらずあだゝらね
 それでも、本宮駅に降り立った子規は、芭蕉翁がさまよったあとを慕って行くことに絞りきっていない。南杉田の遠藤菓翁氏を訪れるなど、宗匠との談義へのこだわりも残る。

 その子規と比べれば、信夫摺観音へやってきたのは、芭蕉翁がさまよったあとを忠実に慕っている行為としていることは明らかだ。なお、「正岡子規の福島俳句紀行」では、この文知摺の別当院である安洞院を訪ねたとしているが、その確認はまだできないでいる。今のところ、「はて知らずの記」を拠り所にしている。

 虎女の恋焦がれる思いは、「みちのくのしのぶもぢ摺たれゆゑに
            みだれそめにしわれならなくに」という「古今和歌集」源融の歌に結び付くものだ。
 信夫摺観音を題材にする文学は、この古今和歌集の歌とその基になる河原左大臣・中納言源融と里の女虎女との悲恋の伝説及びこの巨石については誰もが知っていることを前提として表現する。子規は、これを次のように説明している。
         文知摺観音2

 遂に、満願の日の左大臣の御姿が石の面に現れる。
 孝子は石を射透し、節婦は石にも化したりというが、左大臣へその思いが通じる。
 今君の御姿を見るうれしさ、日毎ここに詣でて何を語ればいいんだろう。
 左大臣は、遙かの地でこの事をお聞ききになられて、たいへん哀れに思われて、
 みちのくのしのぶもぢ摺たれゆゑに
       みだれそめにしわれならなくに
と詠まれたのだ。

 その後日談として、「奥の細道」の本文に当たる部分を紹介し、これは、奥の細道の芭蕉の紀行にも紹介されていると案内する。

 世も変わった後も、親に別れたり夫に別れたり妻子に別れた者などが、皆ここに詣で来て、麦で石を摺りながら再会を祈るようになった。それで、ここへ来る麦畑などが荒らされるようになって、農民達が憤って、山に上のこの石を突き落してしまった。石は麓に転げ落ちて、左大臣の像はうつぶせになってしまった。それ以来ずっと長い間石は土に埋められて僅かに其角を現はしていたという。

 この石の様子は、芭蕉が訪ねた時と子規が訪ねてきた時では少し違っている。
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テーマ:エッセイ - ジャンル:小説・文学

  1. 2010/10/16(土) 16:38:41|
  2. ○ 福島の子規(ノンフィクション)
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Author:親馬シン
 原点であるフィクション「夜の長い街にて」を整理していく中で、自分が求めていたものの輪郭が明らかになると思っていた。
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