飛翔

作品原案として書き連ねています。 書きかけで試行状態ですが、踏ん切りをつけるために、一度手を離すことを目的としています。

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「芭蕉翁の細道紀行を極めようとする⑤」文知摺観音③:福島の子規2-29

 芭蕉翁が、この文知摺観音を訪れるのは、一つは都にかかわる伝説とその歌だろうが、もう一つあって、それが「信夫摺り絹」とのかかわりのようだ。

 子規は、そのことについて次のように説明している。
 ここ信夫の里の絹は、かつて都人に珍重されて一世を風靡したという。文知摺り石は、その石の乱れた模様に布をあてがい、その上から忍草などの葉や茎の色素を摺りつけたものだ。歌の世界では、この乱れ模様にかかわって、心の乱れを表す歌枕として「しのぶすり」を用いるとのことだ。

 この「しのぶずり」が創作された背景を次のように説明する。

 実は、この国(信夫の里)は、昔から帛(きぬ)を献ずる例があった。
 その時に、ただ白いだげでは趣が無いというので、一度試しに信夫山の惹草を採って、拾ってきた紋形のついた石に摺って、それに帛を摺ったものを奉ってみた。すると都の貴人がとても気に入られたという。それて、それからは毎年の例となって、この地の名物として今に残っているものとのことだ。
 その紋形のついた石というのは化石のたぐいだという。しかし、化石というのでは趣が無いので、そこはぼんやりとさせた言伝えにしているらしいということだ。

 涼しさの昔をかたれ葱摺
 しのぶ摺我旅衣汗くさし
        文知摺観音5
 
 文知摺観音には、この中の「涼しさの昔をかたれ葱摺」が子規の句碑として建てられている。

 芭蕉は、ここの文知摺り石と出会って一句詠んでいる。
 しかし、子規はその前に、信夫山を訪ねている。そこから信夫の里を眺めてそのイメージを歌に詠み、その経験と重ねて葱摺を詠う。
 歌の世界をよく知らない散歩人にその良しあしは分からない。しかし、歌には現れないその裏の深み世界としては、子規が憧れる人を越していると勝手に思う。

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テーマ:エッセイ - ジャンル:小説・文学

  1. 2010/10/18(月) 09:39:30|
  2. ○ 福島の子規(ノンフィクション)
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Author:親馬シン
 原点であるフィクション「夜の長い街にて」を整理していく中で、自分が求めていたものの輪郭が明らかになると思っていた。
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