飛翔

作品原案として書き連ねています。 書きかけで試行状態ですが、踏ん切りをつけるために、一度手を離すことを目的としています。

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「芭蕉翁の細道紀行を極めようとする」飯坂温泉③:福島の子規2-32

 二十六日の朝、子規は、小雨の中を十綱橋まで散歩している。
 旅宿を出て街中を二、三町下ると数十丈の下を流れる川があり、それが摺上川だと紹介する。摺上川から二、三町離れているところに子規は泊まっている。その旅館から出ると街並みがあって、そこを通って摺上川に出る。

 子規が描写するのは、十綱の橋と湯野側の景色で、その他の情報は少ないが、その視点と距離から、鯖湖湯を中心とした旅館である事を想定する。
 その想定のもとで、子規が目にしたであろう飯坂の風景を確認する。
 子規が訪れた頃の飯坂の温泉街は、大火からの復興5年目の街並みだ。ようやく整い始めた頃だと思われる。
 5年前の明治21年4月の大火で、飯坂の温泉街は壊滅状態になっている。湯町から出火した火災は西風にあおられて、この温泉街を焼き尽くす。湯沢、十綱町の道沿いの中心となる温泉街がすべて灰になってしまうのだ。
 それを再建するのに、鯖湖湯の北東に屋敷を構えた堀切氏が私財を投じる。明治24年の十綱の橋の大改修は、その復興の中の出来事のようだ。しかし、その復興は、単に旧道を広げるということでなく、新しい町並みを整えるという意欲的なものだったようだ。畑であった古戸、東滝ノ町、湯沢などにも、新しい道を造って、新しい町並を設置したという。
 その町並みを整える一環として、若葉町を中心に、摺上川沿いに遊郭が集められる。この時に、「飯坂の碑」も八幡神社境内へ移転されているようだ。
 子規は、小雨の中、ようやく整いはじめた街並みを、十綱橋まで朝の散歩に出てきたのだろう。
         飯坂散歩十綱橋

 子規は、その摺上川を次のように説明する。
 摺上川は、信夫飯坂と伊達湯野の両村の境を流れる川で、ここに架かるこの橋には、いろいろな言い伝えがある。
 昔は綱を掛けて人を渡していて、籠の渡しのようだった。古い歌にも、
 「みちのくのとつなの橋にくる綱のたえずも人にいひわたるかな
         おのづからくると見しまにみちのくのとつなの橋の中はたえにき」
などと詠まれていたが、今は鉄のつり橋を渡して行き来することが便利になった。

 そして、確かに以前の橋は、趣があったかもしれないが、文明開化のおかげで、技術を駆使してこの立派な橋が完成したのであって、それを、昔の橋は風情があったとかと勝手なことを言ってはいけない。旅人にとってはありがたいことだと付け加える。

 つり橋に乱れて涼し雨のあし
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テーマ:エッセイ - ジャンル:小説・文学

  1. 2010/10/24(日) 10:13:03|
  2. ○ 福島の子規(ノンフィクション)
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Author:親馬シン
 原点であるフィクション「夜の長い街にて」を整理していく中で、自分が求めていたものの輪郭が明らかになると思っていた。
 しかし、実際にはそうはならなかった。

 今は、知りたいことを追い求め、何も考えずに書きとめるだけだ。それでも充分満足している自分を感じている。

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