飛翔

作品原案として書き連ねています。 書きかけで試行状態ですが、踏ん切りをつけるために、一度手を離すことを目的としています。

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「再び芭蕉翁を追う」:福島の子規2-43

 子規は、実方の墓を訪ねた後、増田まで一里の道を歩き、汽車で仙台に向かうようだ。
 「はて知らずの記」に増田駅とあるのは、明治21年開業の「増田駅」のことで、現在の「名取駅」だ。ここから仙台に入った後、数日滞在して体力を取り戻そうとしたようだ。
 よく分からないが、手元の資料では、この宿を国分寺町の針久旅館だったとするものを見るが、まだその位置を確認していないが、本店が仙台で、東京支店を出したらしいことが伺える。

 行きあたる宿に落ちつく涼みかな
 郡山からここに来る間に往々に観ることとして、尺八月琴胡弓などを合奏して、戸ごとに銭を乞う者が多いとの記録を加えている。

 次の28日は、晴れて暑い日だったようだ。
 
 雨晴れてまたあらたまる熱さかな
 病の疲れのせいなのか、旅路の草臥れなのかは分からないが、朝とも昼とも夜ともいわず、ひたすらに睡魔に襲はれて、ただうとうととばかりに、枕一つがこよなき友だちだといって寝ていたようだ。

 夜になって、少し元気になったのだろうか。
 燈下に日記など認め終って窓を開けると、十六夜の月が澄み渡って、日頃のうさを晴らす折から、不意に松島の景色を思い出す。こころはやって、この月をあだにはと、足は戸の外まで踏み出すが、もはや夜深けて終列車の時刻も過ぎていた。
 ちょっと不満だが、蚊帳に入ると、月光はガラス窓を透過してわが枕辺に落ちる。今は中々に夢も得ぬ景色だ。
 月に寝ば魂松島に涼みせん
 涼しくもがらすに通る月夜かな
 もし十七夜の月も見過ごしてしたとしたら、もっと松島の風光に負けたことになる。明日は必ず扶桑第一の山水に出会おうと、一人で契り、一人でうなずいて眠りにつく。

 (※ 「松島は扶桑第一の好風にして……」〈奥の細道〉を受けて表現しているのだろうか。)
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テーマ:エッセイ - ジャンル:小説・文学

  1. 2010/11/11(木) 10:54:02|
  2. ○ 福島の子規(ノンフィクション)
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Author:親馬シン
 原点であるフィクション「夜の長い街にて」を整理していく中で、自分が求めていたものの輪郭が明らかになると思っていた。
 しかし、実際にはそうはならなかった。

 今は、知りたいことを追い求め、何も考えずに書きとめるだけだ。それでも充分満足している自分を感じている。

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