飛翔

作品原案として書き連ねています。 書きかけで試行状態ですが、踏ん切りをつけるために、一度手を離すことを目的としています。

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「再び芭蕉翁を追う」:福島の子規2-46

 松島湾に出た子規は、山が洋々に開いてきて、海が遠くに広がる風景を芭蕉の描写と重ねているかのように楽しみながら名文調で描写する。
 まずは、島が並びその見え方が変化する風景を捉えて描写する。
 舟から見る島々は、縦に重なり、横に続いて、遠近の説明し難く、その数もまた知り難い。自分が移動しているのに、海の景色が動いていると錯覚する。一つと見えた島が、二つになり、三つに分れて、竪長と思っていても、直ぐに幅が狭く細く尖りたりして、眺める山の次第に円く平たくなっていったりする。
 次にいろいろな特徴的な島を描写し、その遠景としての金華山、「海岸線に見える山領は富山観音、舳に当りたるは観月楼、楼の右にあるは五大堂、楼の後に見ゆる杉の林は瑞岩寺なり。瑞岩寺の左に高き建築は観瀾亭、やや観瀾亭に続きたるが如きは雄嶋なり」と船が向かう海岸に見える風景を描く。
 芭蕉の描写も名勝の地を名文で表すが、子規もまたそれを意図しているように思う。その名文調が崩れてはいけないと思うので、自分が分かりやすいように言い換えるのはやめておく。
 その海岸に船が着き、悦惚れとして観月楼に上って詠む。

 涼しさの眼にちらつくや千松嶋
 涼しさのはらわたにまで通り島鳧(ちどり)

 確認しておきたいのは、芭蕉と散策順に違いはあるが、この「塩釜経由松島」のコースどり同じだ。
 子規は、宮城野から真っすぐこのコースを追体験する。

 我々がこれの追体験に近づくには、塩釜からの観光船島めぐりの後に、松島に向かって観光コースを巡るということになるのだろうか。
 松島は何度も訪れているし、塩釜からの島めぐりも体験している。しかし、現代の商業化された観光地という条件の中では、手こぎであったろうゆったりとした時間の流れ、波の感触などを味わうことは難しい。芭蕉や子規の高ぶったその思いを、目の前に風景と重ねて感じ取ることは無理だろうなと思う。
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テーマ:エッセイ - ジャンル:小説・文学

  1. 2010/12/08(水) 18:52:56|
  2. ○ 福島の子規(ノンフィクション)
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Author:親馬シン
 原点であるフィクション「夜の長い街にて」を整理していく中で、自分が求めていたものの輪郭が明らかになると思っていた。
 しかし、実際にはそうはならなかった。

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