飛翔

作品原案として書き連ねています。 書きかけで試行状態ですが、踏ん切りをつけるために、一度手を離すことを目的としています。

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日々雑感3 : 「目安箱」

 毎日新聞「余談」(09/6/14)に、現代の目安箱として、「パブリックコメント」の役割を導くのに、目安箱の設置を民衆の意見を取り入れる改革を日本史として評価する観点から話の枕に述べていた。
 しかし、この目安箱が民衆の声を集めたのは分かるのだが、民衆の意見を考慮したかどうかは疑問に思っている。
 農民の現状を箱訴した佐原村太郎右衛門は、そのことが理由で打ち首獄門さらし首になっている。
それで、この比喩には、ちょっとひっかかるものがあるのだ。
 更にいえば、日本史の学習としては、江戸幕府の三大改革の中で最も成功したものとして高く評価されている吉宗の改革ではあるが、統治される立場から見るとこの改革が、百姓一揆の頻発を招いたともみえる。ひねくれた見方なのだろうか。

 今では地元伊達以外では、信達大一揆のことは忘れ去られているが、明治40年には半井桃水によって朝日新聞に連載され、映画化もされて有名な物語だった。この一揆の時の将軍は家重の時だが、大御所として実権を握り続けていたのは吉宗だ。
 日本史で素晴らしいとされる吉宗の改革は、年貢を五公五民に増税する政策でもあり、農民の生活の窮乏と引き換えに、実権を握る階層の経済をささえたということでもある。
 先の例は、百姓は担当者に実情を話してお願をしたと前の行動がある。それが受け入れられないので民主的な目安箱に意見書を入れてお願をしたのだ。それでも駄目で百姓一揆が頻発したという見方もある。
 ただ、この出来事は年貢という直接税の限界を示し、次の時代の商品流通への課税という間接税への移行を促がされるという為政者にとっての意味があったともみれるという。

 さて、日枝神社に結集した寛延2年(1749)の信達大一揆物語は、相手を桑折の悪代官神山三郎とする。そこは了見が狭い。彼が直接の相手ではあるが、彼が一人の判断で行っているはずもない。
 当時の幕府勘定奉行は神尾春央で、「胡麻の油と百姓は搾れば搾るほど出るものなり」と言ったといわれている方だ。これが幕府の骨太の方針なのだ。
 神山三郎左衛門は、そのお抱え経済学者神尾に目をかけらて、寛延2年6月に信達地方へ代官として赴任するエリート官僚だ。
 着任早々に、神山は検見を行なう。その検見は、実際の収穫高を無視し、開墾された無税地や技術の向上で収穫高が上昇した土地すべてを洗い出す課税法だったという。今の時点で考えれば、定見法を検見法に変えたということであり、客観的にはどちらが良いということの判断は難しいものと聞く。
 彼にはもう一つ使命があって、半田銀山の経営だ。
 この銀山は、慶長3年(1598年)米沢藩上杉景勝氏の代から本格採鉱が始まり、隆盛を極めたが、これに目をつけた徳川幕府は、延享4年(1747年)には直轄領とし、佐渡奉行の支配下に置いている。
 これも彼が手腕を発揮し、銀山は幕府直営の御直山と同組織で経営されるなどの改革で、産出量も大きく伸び、幕府の財政を大きく支えるに至ったという。
 彼は幕府の政治を担う方々からみれば、改革に貢献した忠実な官僚と見えたはず。彼は、代官として幕府のため与えられた仕事を懸命にこなしたということでしかない。

 義民の物語では、一揆の指導者たちが獄門・斬り捨て・追放となったことが強調されるが、客観的なこの一揆対応の成果は、当年の年貢減免と金納分の4回分納が認められたということらしい。これが各地の一揆解決の見本となり、更には年貢増徴策の限界を知らしめたということになるようだ。
 これが、次の時代には直接税から商品流通への課税という間接税への移行を促がされたという。

 比喩に引っかかってしまったが、大切なのは方法への期待より、現代の目安箱で聞き入れる意見と、誰のために改革するのかの方ではないかと思っただけ。

※ 家重の時代、吉宗が大御所として実権を握り続けたことについて
 延享2年(1745年)9月25日、吉宗は将軍職を長男・家重に譲るが、家重は言語不明瞭で政務が執れるような状態でなかったので、ずっと大御所として実権を握り続けたといわれている。
 病弱な家重より聡明な次男・宗武や四男・宗尹を新将軍に推す動きもあったが、吉宗は宗武と宗尹による将軍継嗣争いを避けるため、あえて家重を選んだとも言われている。
 ただし、家重は言語障害はあったが、知能は正常で将軍として政務を行える力量の持ち主であったとの説もあるという。

 

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 原点であるフィクション「夜の長い街にて」を整理していく中で、自分が求めていたものの輪郭が明らかになると思っていた。
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